七里田発泡のブログ

放置気味です

シンエヴァンゲリオン劇場版を見てきました。 ネタバレ注意

お久しぶりです。

 

先週の土曜日、朝9時45分の部の『シンエヴァンゲリオン劇場版』をとうとうついに見てきました。

 

ネタバレマックスで語らせて頂きますので、まだご覧になられていない方は注意してください。

 

 

 

今回のシン・エヴァンゲリオン劇場版は巷では既に言われておりますがエヴァンゲリオンからの解放・卒業がテーマの映画でした。

 

今回でエヴァを作り続けなければならなかった庵野監督といつ終わるとも分からないエヴァをひたすら追いかけ続けたファンの25年に及ぶ呪縛からようやく解放された感じがします。

 

テレビ版最終回じゃないですけど庵野監督を含む製作者サイドと長年のファンに「おめでとう」と思わず言いたくなりました。

 

 

 

 

新劇場版だけしか見たことない人よりもテレビ版そしてあの伝説の旧劇場版air/まごころを君にを見たことある人の方が感動はデカいのは間違いないです。旧劇版は庵野監督の精神的に不安定な感じが顕著に映像で表現されており、見てるこちら側の精神力も根こそぎ奪われていくようでした。悪夢のようなバッドトリップ体験ができる希少な作品ではありますが……。

 

エヴァといえば鬱アニメの代名詞としてよく知られていましたが、まさかこんなにスッキリした清々しい最後を迎える作品になろうとはあの頃は誰も想像しなかったでしょう。新劇場版『Q』も相当、観客を突き放してきましたからね。(笑)

 

 

シンエヴァのあらすじですが、まずアスカ、シンジ、クローン綾波はニアサードインパクトの生き残りが集まっている第三村に行き、シンジは大人になったトウジやケンスケなどクラスメート達と再会。しかしニアサードインパクトを引き起こしてしまった自責とDSSチョーカーによる爆発で死んでしまったカオル君のトラウマで自分なんていないほうがいいんだと、お馴染みのウジウジシンジ君モードになり、村の人たちと関係を深めようとはしません。

 

反対にクローン綾波は村民との交流を通してどんどん人間らしい感情を取り戻していきます。村に溶け込んでいくクローン綾波と馴染むことを拒否するシンジの対比が丁寧に描かれます。

 

ケンスケの家で食事もろくに取らず、誰とも口を聞こうともしないシンジはとうとうアスカからぶち切れられ口の中にレーションを無理やり突っ込まれ激しく罵倒されます。これがアスカなりの気遣いというか背中の押し方なのでしょうね。アスカから酷いことをされたシンジ君は拗ねて家出をし、人気のない廃ビルのような場所で1人で体育座り。

 

時々様子を見に来るアスカと人としての感情を理解し始めてきたクローン綾波がシンジの下に訪れます。ニアサードインパクトを引き起こし多くの人間を犠牲にしてしまった罪悪感に苦しんでいたシンジは人の優しさに触れることでどんどん閉ざしていた心を開いていきます。

 

以降は村に戻ったシンジはケンスケの仕事をを手伝い、『Q』では知ることのできなかったこの世界に住む人々の置かれた現在の状況を理解します。

 

村の生活に馴染んだシンジとクローン綾波。しかし別れは突然やってきます。クローン綾波ネルフで定期的に調整を行うことで生きていくことができません。クローン綾波は自分が最期を迎える前、シンジにこれまでの感謝を伝え、彼の前でLCL化していなくなってしまいます。

 

そしてシンジは自分で起こしてしまったこの始末にケリをつける決意をし村に残るのではなく再びエヴァに乗り、父親である碇ゲンドウの計画を阻止すると決意をするというのが今作の大まかなあらすじです。

 

 

長い尺を割いてほのぼの村生活を描くことでシンジ君の心情変化に説得性があり、シンジ君の人としての成長が後半のマイナス宇宙での親子対決に活きてきます。

 

陰キャで人との関わり方がよく分からないまま成長してしまった父ゲンドウは、テレビ版やシンエヴァ序盤のウジウジしたシンジ君がそのまま大人になってしまった姿そのもの。成長したシンジ君は今作で初めて過去の自分と向き合い、父親と向き合ってエヴァで喧嘩し、そして対話をし、お互いを理解し合います。

 

ストーリ―終盤は妻のユイと再び会うために世界を差し出そうとしたゲンドウのこれまでの自分の生い立ちや計画の内容、カオル君の正体や彼の行動の意味、これまでの謎とされてきた伏線を怒涛の勢いで回収し、これ以上の無いほどの風呂敷の畳み方で物語を締めくくりに掛かります。

 

個人的に好きなシーンは母親の碇ユイがシンジの自己犠牲を止めたところで小松左京原作の映画『さよならジュピター』の主題歌が流れたところです。めちゃくちゃ良い曲ですね。林原めぐみが歌っているところがまた良い。この映画あまり評判が良くないようですが庵野監督はとても気に入っていたんでしょうね……。

 

 

今作でも今までのエヴァ同様にウルトラマンリスペクト要素やいろんな作品のオマージュがたくさん見受けられました。

 

エヴァで農業は富野監督のターンAガンダムを彷彿とさせましたし、マイナス宇宙は宇宙英雄ローダン、ウルトラマンA

 

ミサトさんたちヴィレが所有している神殺しの船ヴンダーは宇宙戦艦ヤマトもしくはホワイトベース

 

こじ付けかもしれませんが庵野監督なら意識して作っているのではないかなと思っています。(笑)

 

なにしろ『トップをねらえ!』の監督ですからね。

 

 

ラストシーンは感動しました。

 

庵野監督の出身地である山口県宇部市宇部新川駅のホームで大人になったシンジとマリが手を繋いで駆け出すわけなんですけど。

 

背景は実写の空撮で撮影してますがキャラはアニメーションのままなので現実世界にアニメキャラが溶け込んでいて、そこで宇多田ヒカルの主題歌『One Last Kiss』が流れます。

 

ほんとうに終わるんだなぁエヴァンゲリオンが……と思いましたね。

 

 

 

ガイナックスの初代社長の岡田斗司夫さんもべた褒めし、作品解説を行っておりましたのでそういうものが気になる方は是非。

↓↓

 

 

余談ですがガンギマリの顔をしたデカい綾波レイ(エヴァンゲリオンイマジナリー)や親子対決の槍の突き合いはちょっと笑ってしまいました。(笑)

 

気になった点と致しましては仕方がないですけど後半はかなり駆け足気味だったような気がします。ゲンドウはあんなに自分の心情をペラペラ話すような人ではないですし、あとヴィレの人たちが『Q』の時とはまるで対応が違うので、少し作為的に感じてしまいましたかね……。まぁ見ている時は全然気にならないですし、重箱の隅をつつくようなこと言っても野暮ってもんですね。

 

↑↑エヴァ実験時の碇ユイの様子。

 

いやーそれにしてもユイとゲンドウ夫妻が解放されてよかった。

 

個人評価 8.3/10

 

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