不気味な作者不明の映像作品 『コリアタウン殺人事件』
アマゾンプライムビデオの見放題タイトルに追加されているこの『コリアタウン殺人事件』ですが実際に起こった殺人事件を取り扱ったファウンドフッテージものの映像作品。
監督も出演者も一切不明のためプライムビデオに追加された当初はSNSなどで「もしかしてこれ本物?」と話題になったとか。もしかして本物かもしれないと思わせる制作者サイドの手腕は確かなものでモキュメンタリーとして非常によくできています。
カメラを回している撮影者の無職で暇な時間を持て余している主人公は自分が住んでいるアパートの近くで殺人事件が起きたことを知ります。そして事件現場とは別の離れた場所にも血痕が残っていることに気づき、事件と何か関係があるのではと思った主人公は独自で事件の調査を開始。近隣住民に聞き込み調査を行っていくのだが……というのが本作の大まかなあらすじ。
調査を進めていくと主人公がだんだんと被害妄想でヤバい精神状況になっていき、路上や街中で目にする落書きや何気ない光景にも意味を見出していき統合失調症患者のようになっていく過程が丁寧に描かれてきます。しかし主人公がただ狂っていくというだけでなく彼が撮影している映像の中には確かに不可解なものがしっかり収められ、それがまた意味不明で不気味。
結局は謎の正体は最後まで明らかにされず事件の全貌が知りたいという方には消化不良な作品という位置づけになってしまうでしょう。
結構評価が高い作品ですが個人的にはあまり面白くありませんでした。
無職の主人公がどうして殺人事件を調査しはじめたかという動機が興味本位だけというのは些か弱い気がしますし、取材に協力してくれる方がみんな基本的に撮影に協力的で優しいのが何か作り物感がある気がします。ストーリーや事件そのものについても興味を抱けなかったため正直退屈で中途半端な作品だなぁという印象。
暇つぶしにはなりますが正直オススメはできません。
個人評価 3.5/10