七里田発泡のブログ

放置気味です

Jホラーと言えば絶対にこれは外せない。ほんとにあった怖い話シリーズについて。

 

ほんとにあった怖い話シリーズといえば毎年のようにスペシャル番組としてフジテレビが放送されていますが私が小学生の頃は毎週月曜日夜の7時に1時間枠で放送されていました。

 

ほんとにあった怖い話シリーズの歴史は実は長く、1991年のオリジナルビデオが初出。ここに収められている『夏の体育館』『霊のうごめく家』の2作品でJホラー特有の演出の礎が築かれたとか。

 

監督はホラー界の巨匠、鶴田法男監督。脚本は小中理論でお馴染みの小中千昭さん。

 

ご存知ではない方にご説明いたしますと小中理論とはカンヌ映画祭ヴェネツィア国際映画祭などで賞を受賞された黒澤清監督らが呼称し始めたもので受け手を怖がらせるための最も効果的な恐怖演出方法をロジカルに纏めたものになります。

 

リングの脚本家の高橋洋さんと小中千昭さんがホラー演出について論じ合いブラッシュアップされていったそうです。

 

例えば恐怖には段取りが重要であるとか。恐怖とは理不尽(理解できないもの)でなくてはならないとか。カメラアングルについても触れられたりしておりますので脚本家志望の方のみならず映像作家を志す方にも参考になるかもしれません。

 

かなりざっくりとした拙い説明になりましたがこういった内容のものが詳細に理論立ててあり、私はホラー映画はかなりステマチックに作られているのだなぁと知ることができました。

 

ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルに、ほん怖シリーズ脚本家の三宅隆太さんがご出演された時に小中理論のご説明をされていますので興味がある方はぜひ。

↓↓↓

 

 

小中千昭さんの著書 『恐怖の作法 ホラー映画の技術』に小中理論について触れられています。私も持っていますがよく考え抜かれていて非常に興味深いのでオススメです。

 

 

 

 

 

ほん怖に話を戻します。

 

私にとってのほん怖は稲垣吾郎さんが司会を務める2004年版以降でして、黎明期からJホラーを牽引してきた鶴田法男監督や三宅隆太監督らの作品が毎週のように見れたあの時代は今思えばまさに夢のような時代。

 

 

 

私個人としてですが最近のシリーズは視聴者からの苦情を考量してなのかホラー演出が非常にマイルドになったような印象を受けました。少し昔前のほん怖はトラウマ回と呼ばれる話が多く、もっと容赦がなかったということをこの場を借りて声を大にしてお伝えしたい。

 

もしよろしかったら、みなさんのほん怖トラウマ回を教えて頂けますと幸いです。(笑)

 

ほんとうにあった怖い話 個人的に好きな回リスト

 

・社怪内報(1999年8月27日スペシャル) ←リメイク作品?真夜中の徘徊者(2003年9月5日)

 

・十二日間の悪夢 (2000年8月25日スペシャル)

 

・死ねば良かったのに(2004年1月10日放送)

 

・見えない住人(2004年1月17日放送)

 

・うしろの女(2004年2月7日放送)

 

・近づく足音(2004年2月21日放送)

 

・別荘ニテ待ツモノ(2004年11月29日放送)

 

・転ぶトイレ(2005年1月17日放送)

 

・黒髪の女(2005年8月23日放送)

 

・6番の部屋(2006年8月22日放送)

 

・そこにいる!(2006年8月22日放送)

 

上記は私が厳選した特に面白い回になります。

 

もしかしたら今後、上記の回のレビュー及び解説記事を書くかもしれませんのでその時は生暖かい目でご覧いただけますとありがたいです。(笑)

 

前回取り上げました伝説のトラウマホラー 『学校の怪談 春の呪いスペシャル』についての記事をまだ見たことがない方は方は併せてお読み頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

昔テレビで放送されていた?オムニバスホラーのタイトルが分からなくて一生モヤモヤする話。

タイトルの通りです。(笑)

 

ずーっと前からトラウマになったあのオムニバスホラーまた見たいけどタイトルが分からない。シーンが断片的過ぎて他人に説明しようにも説明できない。流れてた音楽だけ妙に覚えてるけど、鼻歌を歌っても絶対に分からない。

 

というかそもそも周りにJホラー好きがいない。(致命的)

 

こんな経験ありませんか?

 

広く知られている名作映画ならまだしもカルト映画好きとなると「映画はピンクフラミンゴが好きなんですよ。あとソドムの市。」なんて他人にはなかなか言いづらいものがありますよね。

 

先ほど挙げた例はちょっと極端な例ですが(笑)、私も何となく好きな映画を聞かれた時は「ゼイラムが好きですね」とか「リングとか学校の怪談とかJホラーが好きです。」とは言わず一般的によく知られている『ターミネーター2』とか「12人の怒れる男」とか名作と呼ばれている作品をついつい挙げてしまいます。

 

学生時代に友人にホラーの話をしてドン引きされてしまった過去があるので相手からそういう話題が出るまでは表に出さないようにしています。(偉いでちゅね~)←ぶっ〇したい。

 

 

今回自分がずっと以前に見たタイトルが思い出せないオムニバスホラーの曖昧な内容を箇条書きでご紹介します。

 

誰かご存知の方はコメントで教えて(泣)

 

・大学の映画サークル?に所属している若者が誰もいない公園?でサークル仲間の女性を主演に自主製作映画を撮影している。

 

・後日、編集のために撮影したビデオテープを見返すと主演女優の後ろのやや離れた距離に髪の長い女性が立っている。

 

・主演女優が「この女の人、私のことを見ている」と言うが長い髪で顔全体は覆われているし、気のせいだろと仲間から言われる。

 

・次の日、主演女優が交通事故で死ぬ。先日の発言が気になったサークル仲間が再度ビデオを見返すと、主演女優の後ろに立っていた女の向いている方向が変わっている。「俺を見ている」と仲間の1人がぼそっと呟き、次の日死ぬ。

 

・部長?が偶然だ。こんなので死んでたまるかとビデオを見て、やっぱり死ぬ。

 

・主人公が山の中に入り、ビデオテープを埋めるが自宅に何故か戻ってくる。

 

こんな感じの内容だったと思います。

 

リングの影響を受けているのが色濃く反映されていることから1998年以降の作品なのは間違いないのですが……。

 

いくらネットで調べても検索にヒットしませんでした……。

 

情報を求ム!

 

ヤり逃げ男VSオヤジ狩り援交JKの抗争 遠藤憲一の変態演技は素晴らしい。


 

変態演技と言えば自分の中では冬彦さんの佐野史郎そして遠藤憲一

 

この2人については前回の記事でそれぞれ取り上げたことがございますのでもしまだご覧になられていない方はどうぞ(笑)

 

 

 

佐野史郎は1992年に放送された『ずっとあなたが好きだった』というドラマに登場した冬彦さんのイメージが広く知られ、キワモノ俳優としての人気を不動のものにしましたが、それに対して遠藤憲一はキワモノというよりコワモテ俳優として昔から知られているかと思います。

 

 

↑冬彦さんです。

 

 

最近は親しみのある役も多く、おっさんブームも後押しして可愛らしいと女性ファンが急増しているらしいですが私は遠藤憲一の魅力は変態演技にこそあると考えています。俳優『遠藤憲一』の魅力を余すところなく多くの人に堪能してもらいたい……。そんな思いで本記事を執筆しております。

 

今回は遠藤憲一魅力がギュウギュウに詰まった援助交際撲滅運動』という作品を紹介させて頂きますが、本作はなんとU-NEXTで配信されているんです!!

 

U-NEXTでは31日間無料トライアルを行っていますのでまだお試しになられていない方はぜひ。

 

 

 

・キャスト

アヤ ‐ 遠野小春
クニ ‐ 遠藤憲一
芽映 ‐ 関保奈美
ナナ ‐ 真壁あやか
リョーキ ‐ 山口祥行
オギス ‐ 佐藤幹雄
オヤジ ‐ 森羅万象
SM店員 ‐ 諏訪太郎

 

・あらすじ

女子高生・アヤはテレクラで援助交際をネタに男を誘い出しては、彼氏であるリョーキにオヤジ狩りをさせて、金を稼ぎ出していた。

 

一方、テレクラに勤務するオギスとクニは、客と女子高生の電話でのやり取りを盗聴。

 

援助交際撲滅運動」(エンボク)という善行という題目で女子高生に金も渡さずセックスする蛮行を働いていた。オギスはその行為に罪悪感を抱きながらも快楽となる。

 

一方、クニはSの性癖に目覚め、エンボクで出会った芽映を縛り上げた挙句に浣腸攻め。その模様を写真撮影し、拘束しながらホテルに置き去りにする。犯された芽映は実は処女であり、ショックのあまり自殺未遂を起こす。

 

芽映を可愛がっていたアヤは仲間に集合をかけ、「援助交際撲滅運動」を名乗る男たちへの復讐を誓う。

 

(wikipediaから引用)

 

個人的お気に入りシーン。

 

 

何故かオカマ風メイクをしている遠藤憲一が『バレンタイン』というテレクラ店でJKとオジサンの会話内容を盗聴しブツブツ呟きながら興奮するシーン。

 

ラブホテルに連れ込んだJKを縄で縛り上げながらテレクラ店員のオギスに電話を掛けプレイ内容を実況するシーン。

 

 

指でJKの処女を奪い、顔面に鮮血が掛かり興奮するシーン。

 

他にも狂気のお医者さんごっこシーンや銃で撃たれて内臓が飛び出るシーンに激しいピストン運動でエンケンのお尻がぷりぷり揺れるところが見れるのでとても貴重です。(ビジターQでも見れるので貴重じゃないかも)

 

明滅を繰り返すテレビ画面を舌で舐め回すシーンとか完全にイッちゃってますし。

 

遠藤憲一以外にもチ〇コに釘を打たれるオギスやパパ活していたオッサンが手に釘を打たれたりする過激なオヤジ狩りシーンも見どころの1つです。

 

 

テレクラが流行りコギャルブームだった当時は援助交際が問題視されていましたがそれは現代社会でも未成年の女性が身体を売ってお金を稼ぐという行為が『パパ活』という言葉に置き換わってまだまだ蔓延しています。

 

背中に入れ墨もあって顔が遠藤憲一のような変態オヤジばかりだったら確かに援助交際パパ活は撲滅できるかもしれませんが、立派な犯罪ですので絶対に真似してはいけません。

 

今後恐らく絶対に見ることのできないであろう遠藤憲一の雄姿。

 

個人評価 7/10

 

援助交際撲滅運動』は私好みの90年代ならではのスラップスティックなドタバタシュールギャグエロバイオレンス映画ですので評価は甘めになってしまいます。

 

内容が万人受けしないですし、自主制作映画のようなチープさがありますので時間の無駄だったという評価を下す方もいるかと思いますのでオススメはしません。

 

でもストーリーも予算もガバガバでもパワフルであればそれでええじゃないか!

 

しかしながらこんなお下劣で品のない酷い内容なのに爽やかなエンディングで良い話風に纏めているのが笑えます。

 

しかも駄作になりがちな続編はさらにパワーアップした遠藤憲一がカムバックしてますのでいずれ取り上げますね!

 

 

 

一部でカルト的な人気を誇っているのかシリーズモノになっているのも笑える(笑)

 

サイコパス犯人によるガバガバ殺人計画『アングスト 不安』

 

 

 

長い間VHSビデオで販売されていたのみだった1983年公開の『鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜』というタイトルの作品が昨年の夏、『ANGST/不安』という名前で劇場公開されることになったとSNSで評判になっていたので福岡天神北のKBCシネマで友人を連れ立って鑑賞。

 

 

国内でも珍しいテレビ放送局が運営している映画館でローカル映画やマイナー映画を上映しています。

 

詳しくはこちらから↓

 

 

本作はヴェルナー・クニーシェックというオーストリアの殺人鬼による犯行を映画化した作品で過激な内容のため当時公開後すぐにヨーロッパ全土上映禁止になったらしいのですが、確かに過激といえば過激ですがグロを期待して見ると肩透かしをくらうほどショッキングなシーンはありませんでした。

 

 

以下ストーリーの内容です。

 

・ストーリー

刑務所から保釈されていた殺人犯・Kは、相手の目に映る恐怖心が見たい、という欲望に駆り立てられ、殺人の衝動に突き動かされていた。

 

食堂に立ち寄った彼は、カウンター席に座っていた2人の少女を襲おうとするも、公共の場ではそれができずにいた。タクシーを拾った彼は運転手の女性を殺そうとするが、彼女が不振に思って車を止めると逃げ出した。

 

その最中にある屋敷を見つけた彼は、そこに侵入した。屋敷には、母、息子、娘が暮らしており、息子は車椅子で生活していた。母と娘が帰宅すると、殺人犯は一旦隠れたのち、一家を襲撃した。

 

母と娘の身体を縛り、娘の口にテープを貼って口が利けないようにした。Kは息子の身体を屋敷の2階にある浴室に引き摺っていき、息子の頭を浴槽の中に沈めて溺死させた。階下に戻ると、母は死にかけていた。

 

母に薬を与えるよう娘は懇願し、Kはその通りにしたが、自分が殺そうとする前に母が事切れると激怒し、母が掛けていた車椅子を壁にぶつけた。

 

娘が逃げようとしているのに気付いたKは彼女を追いかけた。Kは娘を刺して殺害し、彼女の身体から出た血を飲み、直後に彼女の身体に向けて嘔吐した。

 

翌朝、彼女の身体のそばで目覚めたKは、着ていた服を少しだけ脱ぎ、身体は血で塗れた。

 

Kは一家が所有していた車のトランクの中に一家の遺体を詰め込んだ。新たに犠牲者となる相手に遺体を見せ付けることで戦慄させようと考えた。

 

彼は一家が飼っていた犬を車の助手席に座らせた。半狂乱状態で車を運転中に別の車に追突し、数人がこの場面を目撃した。

 

以前に立ち寄った食堂に入った彼は犬に餌を与えようとするが、車の登録番号を書き留めた警察から尋問を受ける。彼は車のトランクを開け、中に入っていた遺体を見せ付けた。彼は逮捕された。

 

映画は、情緒不安定な子供時代の経験が原因で根付いた嗜虐的な性向が彼を殺人へと駆り立てた、という医療記録の語り手による声明で幕を閉じる。(wikipediaから引用)

 

 

自撮り棒で撮影したようなカメラアングルは独特で殺人鬼の主人公の顔のドアップが頻繁に出てきます。ありえないくらいローアングルのショットなどもあり、普通の映画というよりもちょっと変わったアングルの多いドキュメンタリー映画を見ているような感覚があります。

 

主人公の殺人鬼は刑務所にいる間は出所した時の次の殺人のために周到に計画を練ったと観客の私たちに独白してきますが場当たり的な犯行が目立ち、欲望のまま衝動のまま犯行に及びます。

 

拘束するだけのはずがうっかり相手を死なせてしまい……

 

 

何勝手に殺す前に死んどるねん!!

 

車いすを蹴り飛ばす主人公。

 

これだけ見るとほんとにドタバタブラックコメディっぽく滑稽に見えるんですが主演の俳優さんの演技は鬼気迫るものがあり、娘を殺した時のエクスタシー顔はホントにヤバいです。

 

↑エクスタシー顔。

 

これだいぶイってますねぇ。

 

 

浴槽に息子を沈めるときの顔も恐ろしいです。

 

 

あっ、今、気づいたのですが前回取り上げた『うっせぇわ』の顔にめちゃくちゃ似てませんかこれ。

 

映画の話に戻ります(笑)

 

主人公の行動に何でそうなのと思わずツッコミを入れたくなるシーンがたくさんでてくるのですが、主演俳優のキマッてる顔で『あっこいつならそういう行動もやりかねんな』と妙に説得感があるので展開にイライラすることもなく見ることができます。

 

実録犯罪ドキュメンタリータッチなのでゴア描写などほとんどなくスプラッター映画としては楽しむことはできないですが、ヤバい犯人の

犯行現場を間近で見ているようなトリップ体験はできると思います。

 

音楽についてはクラウス・シュルツのミニマルミュージックが1,2曲くらい本編で流れているだけで予算の都合からか使用楽曲が他の映画よりも極端に少ないです。

 

自分が頭の中で想像していた映画と違ったので肩透かし感が凄かったのですが、これはこれで面白かったかな。

 

個人評価 5/10

『あなたの知らない怖い話4』に収録されているPOVホラー 『ミテハイケナイモノ』

『あなたの知らない世界』を彷彿とさせるタイトルの『あなたの知らない怖い話』シリーズはオムニバスホラー作品です。

 

 

 

このシリーズぶっちゃけ言うと面白くありません。

Jホラーというより妙にグロや胸糞に頼りすぎていてストーリーも何か微妙なクオリティーのものがほとんど。

本当に暇で暇で退屈な人以外は新耳袋シリーズの方を見た方がとても有意義な時間を過ごせます。

ただ『あなたの知らない怖い話4』に収められている『ミテハイケナイモノ』はこのシリーズの中では珍しく面白かったので少し紹介したいと思います。

この話は『コリアタウン殺人事件』『屋敷神』のようなファウンドフッテージもので、立ち入り禁止となっている山奥に若者3人組が動画を撮影しながら足を踏み入れます。奥へ進んでいくと鳥居がポツンとあり、周囲の木々に怪しい謎の印とそして誰かの衣類がそのまま地面に散らばっているのを目にします。それ以降、次第に撮影者以外の2人の様子がおかしくなっていき半狂乱になったかと思えば急に押し黙ってしまい、木に頭を打ち付けそして姿が消えていきます。最終的には撮影者自身も突然手にしていたカメラを置いて、頭を木に打ち付けていき……それで終わり。

 

本作は神隠しを上手くモダンホラーとして昇華し表現することに成功していると思います。

 

古くから言い伝えられている伝承などでは山に子供だけで行くと天狗から攫われてしまうという話があったりしますが、天狗や正体不明の異形の存在、霊的な何かによって神隠しに遭うよりも、その禁止された土地に足を踏み入れることによって何かに取り憑かれ、あるいは祟られるという方が現実味があり生々しい怖さがあります。

何かに見入られてしまった撮影者以外の人物が突然理解しがたい木に頭を何度も打ち付けるという奇妙な行動を取り始めることにより、「仲間がいるから大丈夫」といった安心感を剥奪し孤立させるというアイディアも素晴らしい。

着眼点やアイディアが良かったため掘り出し物を見つけた充実感がありました。

レビューサイトでは低評価まみれの本オムニバスシリーズですが、総評としては確かに低評価ですが稀に光る作品が埋もれていたりするんですよね……。

個人評価 5.5/10

不気味な作者不明の映像作品 『コリアタウン殺人事件』

 

アマゾンプライムビデオの見放題タイトルに追加されているこのコリアタウン殺人事件』ですが実際に起こった殺人事件を取り扱ったファウンドフッテージものの映像作品。

 

監督も出演者も一切不明のためプライムビデオに追加された当初はSNSなどで「もしかしてこれ本物?」と話題になったとか。もしかして本物かもしれないと思わせる制作者サイドの手腕は確かなものでモキュメンタリーとして非常によくできています。

 

 

 

カメラを回している撮影者の無職で暇な時間を持て余している主人公は自分が住んでいるアパートの近くで殺人事件が起きたことを知ります。そして事件現場とは別の離れた場所にも血痕が残っていることに気づき、事件と何か関係があるのではと思った主人公は独自で事件の調査を開始。近隣住民に聞き込み調査を行っていくのだが……というのが本作の大まかなあらすじ。

 

調査を進めていくと主人公がだんだんと被害妄想でヤバい精神状況になっていき、路上や街中で目にする落書きや何気ない光景にも意味を見出していき統合失調症患者のようになっていく過程が丁寧に描かれてきます。しかし主人公がただ狂っていくというだけでなく彼が撮影している映像の中には確かに不可解なものがしっかり収められ、それがまた意味不明で不気味。

 

結局は謎の正体は最後まで明らかにされず事件の全貌が知りたいという方には消化不良な作品という位置づけになってしまうでしょう。

 

結構評価が高い作品ですが個人的にはあまり面白くありませんでした。

 

無職の主人公がどうして殺人事件を調査しはじめたかという動機が興味本位だけというのは些か弱い気がしますし、取材に協力してくれる方がみんな基本的に撮影に協力的で優しいのが何か作り物感がある気がします。ストーリーや事件そのものについても興味を抱けなかったため正直退屈で中途半端な作品だなぁという印象。

 

暇つぶしにはなりますが正直オススメはできません。

 

個人評価 3.5/10