七里田発泡のブログ

放置気味です

サイコパス犯人によるガバガバ殺人計画『アングスト 不安』

 

 

 

長い間VHSビデオで販売されていたのみだった1983年公開の『鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜』というタイトルの作品が昨年の夏、『ANGST/不安』という名前で劇場公開されることになったとSNSで評判になっていたので福岡天神北のKBCシネマで友人を連れ立って鑑賞。

 

 

国内でも珍しいテレビ放送局が運営している映画館でローカル映画やマイナー映画を上映しています。

 

詳しくはこちらから↓

 

 

本作はヴェルナー・クニーシェックというオーストリアの殺人鬼による犯行を映画化した作品で過激な内容のため当時公開後すぐにヨーロッパ全土上映禁止になったらしいのですが、確かに過激といえば過激ですがグロを期待して見ると肩透かしをくらうほどショッキングなシーンはありませんでした。

 

 

以下ストーリーの内容です。

 

・ストーリー

刑務所から保釈されていた殺人犯・Kは、相手の目に映る恐怖心が見たい、という欲望に駆り立てられ、殺人の衝動に突き動かされていた。

 

食堂に立ち寄った彼は、カウンター席に座っていた2人の少女を襲おうとするも、公共の場ではそれができずにいた。タクシーを拾った彼は運転手の女性を殺そうとするが、彼女が不振に思って車を止めると逃げ出した。

 

その最中にある屋敷を見つけた彼は、そこに侵入した。屋敷には、母、息子、娘が暮らしており、息子は車椅子で生活していた。母と娘が帰宅すると、殺人犯は一旦隠れたのち、一家を襲撃した。

 

母と娘の身体を縛り、娘の口にテープを貼って口が利けないようにした。Kは息子の身体を屋敷の2階にある浴室に引き摺っていき、息子の頭を浴槽の中に沈めて溺死させた。階下に戻ると、母は死にかけていた。

 

母に薬を与えるよう娘は懇願し、Kはその通りにしたが、自分が殺そうとする前に母が事切れると激怒し、母が掛けていた車椅子を壁にぶつけた。

 

娘が逃げようとしているのに気付いたKは彼女を追いかけた。Kは娘を刺して殺害し、彼女の身体から出た血を飲み、直後に彼女の身体に向けて嘔吐した。

 

翌朝、彼女の身体のそばで目覚めたKは、着ていた服を少しだけ脱ぎ、身体は血で塗れた。

 

Kは一家が所有していた車のトランクの中に一家の遺体を詰め込んだ。新たに犠牲者となる相手に遺体を見せ付けることで戦慄させようと考えた。

 

彼は一家が飼っていた犬を車の助手席に座らせた。半狂乱状態で車を運転中に別の車に追突し、数人がこの場面を目撃した。

 

以前に立ち寄った食堂に入った彼は犬に餌を与えようとするが、車の登録番号を書き留めた警察から尋問を受ける。彼は車のトランクを開け、中に入っていた遺体を見せ付けた。彼は逮捕された。

 

映画は、情緒不安定な子供時代の経験が原因で根付いた嗜虐的な性向が彼を殺人へと駆り立てた、という医療記録の語り手による声明で幕を閉じる。(wikipediaから引用)

 

 

自撮り棒で撮影したようなカメラアングルは独特で殺人鬼の主人公の顔のドアップが頻繁に出てきます。ありえないくらいローアングルのショットなどもあり、普通の映画というよりもちょっと変わったアングルの多いドキュメンタリー映画を見ているような感覚があります。

 

主人公の殺人鬼は刑務所にいる間は出所した時の次の殺人のために周到に計画を練ったと観客の私たちに独白してきますが場当たり的な犯行が目立ち、欲望のまま衝動のまま犯行に及びます。

 

拘束するだけのはずがうっかり相手を死なせてしまい……

 

 

何勝手に殺す前に死んどるねん!!

 

車いすを蹴り飛ばす主人公。

 

これだけ見るとほんとにドタバタブラックコメディっぽく滑稽に見えるんですが主演の俳優さんの演技は鬼気迫るものがあり、娘を殺した時のエクスタシー顔はホントにヤバいです。

 

↑エクスタシー顔。

 

これだいぶイってますねぇ。

 

 

浴槽に息子を沈めるときの顔も恐ろしいです。

 

 

あっ、今、気づいたのですが前回取り上げた『うっせぇわ』の顔にめちゃくちゃ似てませんかこれ。

 

映画の話に戻ります(笑)

 

主人公の行動に何でそうなのと思わずツッコミを入れたくなるシーンがたくさんでてくるのですが、主演俳優のキマッてる顔で『あっこいつならそういう行動もやりかねんな』と妙に説得感があるので展開にイライラすることもなく見ることができます。

 

実録犯罪ドキュメンタリータッチなのでゴア描写などほとんどなくスプラッター映画としては楽しむことはできないですが、ヤバい犯人の

犯行現場を間近で見ているようなトリップ体験はできると思います。

 

音楽についてはクラウス・シュルツのミニマルミュージックが1,2曲くらい本編で流れているだけで予算の都合からか使用楽曲が他の映画よりも極端に少ないです。

 

自分が頭の中で想像していた映画と違ったので肩透かし感が凄かったのですが、これはこれで面白かったかな。

 

個人評価 5/10